海津の風景を大切に記していただいた遠藤周作先生の小説の一部を紹介させていただきます。 「女」より。 | ![]() | ||||||
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![]() | 「女」より 遠藤先生の作品のなかで、ここ海津のことを記された文章があります。先生の著書のなかに、この湖を、この街を、大切な風景として記していただいたこと、たいへんうれしく、ここに紹介させていただきます。 北琵琶湖の風景は実に素晴らしい。工場の廃液や汚水でよごれた南にくらべ、北琵琶湖の風景は奥に入れば入るほど魅力が増す。夏はマキノ町にある湖里庵の窓から水底まで見通せる湖を眺め、涼風に暑さを忘れたことがある。湖里庵は私が命名した清らかな料亭だ。寂寥たる晩秋に湖里庵から更に北にのぼって、まるで北欧の風景のような孤独でわびしい湖岸にたたずんだこともある。だが何よりも私は北琵琶の春を愛する。多くの人は知らないが、桜の木がいつまでも尽きない湖畔があって、うるむような物憂い晩春、花吹雪のなかで、あまりの美しさに息を飲んだことがある。 | ||||||
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